健康維持のために始めたウォーキング。
フィレンツェ旧市街に住んでいると、つい美術館や教会ばかりに目が向きがちですが、私には時々無性に行きたくなる場所があります。
それがミケランジェロ広場の下にある ランペ・デル・ポッジ(Le Rampe del Poggi)。

ここへ来ると、流れる水の音を聞きながらゆっくり歩くことができ、気持ちがすっと落ち着きます。
春や初夏には木々の緑が美しく、小鳥のさえずり、太陽の光を受けてきらきらと輝く水面を眺めているだけで癒される場所です。
観光客はミケランジェロ広場までは行くのですが、その途中にあるこの場所は意外と見逃してしまう人も多いのです。
ミケランジェロ広場と一体で設計された美しい作品

実はこの場所は単なる滝ではありません。
19世紀の建築家
Giuseppe Poggi
が設計した都市計画の一部です。
彼はフィレンツェを一望できるミケランジェロ広場を設計し、その広場へ向かう道を「劇場のように美しく演出したい」と考えました。
そのために造られたのが、このランペ・デル・ポッジです。
滝、階段、植栽、眺望。
すべてが一つの作品として計画されています。
私が好きなのは、ここが単なる観光名所ではないところ。
近所の人が犬の散歩をしていたり、ジョギングをしていたり、ベンチに座ってのんびりしていたり。
フィレンツェの日常が感じられる場所でもあります。
水の音を聞きながら階段を上っていくと、色とりどりの花が咲いていて、少しずつ視界が開け、最後にミケランジェロ広場の絶景が現れます。
フィレンツェらしい「美しさ」が詰まった散歩コースだと思います。
100年近く眠っていた滝が現代技術で復活
驚くことに、この美しい滝は長い間ほとんど使われていませんでした。
修復資金不足などの理由から約100年間放置されていたのです。
2018年から大規模修復が始まり、現在の美しい姿によみがえりました。
特に興味深いのは、市の水道ではなく井戸水を循環させる仕組みで再生されたこと。
歴史的景観を守りながら、現代のサステナブルな技術も取り入れています。
フィレンツェにはドゥオーモやウフィツィ美術館など有名な観光地がたくさんあります。
でも、もし数日以上滞在するなら、こうした地元の人が散歩を楽しむ場所にも足を運んでみてください。
水の音を聞きながらゆっくり歩き、最後にミケランジェロ広場から街を見下ろす。
そんな時間こそ、フィレンツェらしい贅沢なのかもしれません。
修復作業に興味がある方は↓
Le Rampe del Poggi | Giuseppe Bartoli Srl
修復スポンサー↓
フィレンツェのポッジ・ランプの大規模な修復 – フィレンツェCRファンダツィオーネ