芸術の街、フィレンツェ。
ルネサンスの名作を鑑賞できる美術館はもちろん、フィレンツェでは一年を通して、さまざまな展覧会や文化イベントが開催されています。
街自体はコンパクトなので、観光名所をざっと巡るだけなら、比較的短い時間でひと通り見て回ることもできます。けれど、芸術が好きな人にとっては、何度訪れても新しい発見がある街ではないでしょうか?
ストロッツィ宮殿で出会った、壊れた芸術作品
綺麗なものを見るのが好き、美術館や展覧会が好きな娘は、友人と美術館や展示会へ出かけることもあります。
ただ、友人があまり興味を持っていない展示会の場合は、私たちに「一緒に行かない?」とお誘いがきます。
先日は、そんな娘の誘いで、フィレンツェ中心部にあるストロッツィ宮殿の展示会へ家族で出かけました。

今回訪れたのは、完全な姿ではなく、壊れたり、欠けたりした作品や、断片そのものをテーマにした展示会でした。

作品はエジプトやギリシャ、ヨーロッパをはじめ、世界各地の文化から、そして古代の作品からミケランジェロ、ロダン、現代アートまででした。
世界各地からよく集めてきたなと思うほど。

この展示会の面白い所は、革命や戦争、自然災害などによって壊されたものもあれば、時代や文化によって、意図的に一部分だけが残されたもの、断片そのものが表現として作られた作品もあります。
フランス革命後に残った王の足だけの像の一部や、ムッソリーニの壊れた像もありました。

かつては全体の姿を持ち、ある時代の権力や価値観を象徴していたはずの作品が、今ではその一部分だけになっている。
そうした姿を目の前にすると、作品そのものの美しさだけでなく、それがたどってきた歴史についても考えさせられる展示会でした。
欠けた作品から、何を想像できるのか

今回の展示会で興味深かったのは、作品が失われたことを、単に残念な出来事として扱わず残された断片から、
・私たちは何を知ることができるのか
・誰が作ったのか
・なぜ、壊されたのか
・なぜ、本来あった場所から離れたところで発見されたのか
・そして、失われた部分を、私たちはどこまで想像し、復元できるのか
こんな問いがあるのも面白かったです!
古代から現代アートまでを展示してあったのですが、「考古学者や美術史家は、わずかに残された作品や資料を手がかりに、過去の姿を読み解いていく」、「一方、現代アートでは、欠けていることや不完全であることそのものが、新たな表現につながることもある」ということを改めて感じさせられました。
過去を復元しようとする営みと、断片から新しい意味を生み出そうとする創作。
異なる時代の作品を通して、歴史と現代アートがつながっていくところも、この展示会のおもしろさだと感じました。
美しい作品も、歴史を感じさせる作品もそして、本当に不思議な作品もありました(笑)。
展示スペースを見て回る時間はそれほど長くありませんでしたが、作品を一つひとつ見ていると、思いのほか考えさせられることが多かった!
この後は、夕方のフィレンツェ散歩をし、美味しい物を買って家でアペリティフを楽しみました♪
フィレンツェにはまだまだ素敵な場所やイベントがあるので、どんどん紹介していきたいと思います。
公式展示会ページはこちら:Broken – Fondazione Palazzo Strozzi
2026年9月25日から2027年1月24日まで、ストロッツィ宮殿で開催