早いもので5月が終わろうとしています。
今年は運動も兼ねて朝にウォーキングを始めたので、フィレンツェの街をあちこち歩き回っています。
先日は少し前に話題になっていた旧フィレンツェ劇場を見に行ってきました。
この劇場はフィレンツェが首都であった時代、1862年に建設されたテアトロ・コムナーレ(劇場)は、2021年に取り壊され、2025年夏に高級アパートとして生まれ変わったのですが、、、
その外観に住民たちから反対の声が上がっています。

何故住民が反対をするのかというと、フィレンツェは屋根のない美術館とも呼ばれるほど、歴史的建造物が残っていて、ユネスコの世界遺産に登録されています。
そのため、旧市街の住人は許可なく外観を変えたり、窓の色を変えたり、屋上を作ったり、家の中の改装時も許可が下りない限り出来ないという厳しい法律があります。
そのため街全体が美術館のように保たれています。
それなのに、、、
出来上がった旧劇場は歴史ある建造物ばかりの中に黒い物体がひょこりと飛び出て見えるのです!
住民には厳しいのに、「これは許されるの?」となってしまうのです。
あまりの違和感に「クーボ・ネーロと」黒い立体系と呼ばれ、「街の景観を損ねる、ユネスコ地区における景観規制から色を変えるべき!」とか、「上の部分を取るべきだ!」と市民から批判を受けています。
確かに、ちょっとこの近代的な上の部分は違和感があると思いますし、長い歴史のある建物を壊してしまったというのはちょっと寂しいなと思います。
旧コムナーレ劇場には何度かオペラを観に行ったりコンサートへ行ったのを覚えています。
本当に素敵な劇場で、オペラの休憩時間にバールで何かを飲んだり、一番の思い出は、レッスンの帰りに楽器持参で観に行ったオペラの指揮者だった小澤征爾さんにサインをいただいたこと。
思い出の場所がなくなってしまうのはなんだかちょっと残念です。
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どうして劇場を取り壊してアパートにしてしまったのか
老朽化・安全性の問題・構造的限界・現代的な舞台要求に対応できなかったためと言われています。
① 老朽化と安全性の問題が深刻だった
1957年の時点で、 観客席とギャラリーの耐力構造が安全を保証できない と技術委員会が報告。
その後も補強工事を繰り返したが、 根本的な構造問題は解決しなかった と記録。
② 舞台設備が時代遅れになり、現代オペラに対応できなかった
劇場は19世紀から何度も改修されてきたが、
- 舞台の奥行き
- 設備
- 安全基準
- 観客席の構造
などが 現代のオペラやバレエの要求に合わなくなっていた。
③ 新しい大劇場を建設するため、旧劇場の売却が計画された
2000年代に入ると、フィレンツェ市は 新しい音楽・文化公園(現在のOpera di Firenze)建設費を捻出するため、 旧コムナーレを売却する計画 を進めていた。
→ 旧劇場は「売却して資金にする」対象になっていた。
④ 2014年以降、新劇場が完全稼働し、旧劇場は役割を終えた
2014年のマッジョ・ムジカーレのシーズンでは 新しい劇場と併用 → 2015年以降は 新劇場が完全稼働し、旧劇場は使われなくなった
その後、 2021年に旧劇場は解体。
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